IEC 60904-9は、ソーラーシミュレータの光を分類する規格です。2020年に発行された第3版では、スペクトルの評価方法が変わりました。第2版で分類されたシミュレータが、第3版でも自動的に同じクラスになるとは限らないため、分類レポートに記載された版が重要になります。
より広いスペクトル範囲
第2版では、400〜1100 nmのスペクトルを評価していました。第3版では、最新のセルが青色域と近赤外域のより広い範囲まで応答することから、300〜1200 nmを評価します。従来の範囲外にある光も、良くも悪くも評価に含まれるようになりました。
6つの新しい波長帯
この範囲は6つの波長帯(300〜470、470〜561、561〜657、657〜772、772〜919、919〜1200 nm)に分割され、各波長帯がAM1.5G基準放射照度の等しい割合を担います。スペクトル整合度は、各波長帯におけるシミュレータの割合と基準の割合の比です。
A+クラス
第3版では、スペクトル整合度、面内不均一性、時間的不安定性の3つの評価基準すべてについて、クラスAより厳しいA+の等級が追加されました。Pasanのリファレンスシステムはさらにその先を行き、クラスAの限界値のおよそ2倍の性能にあたるA++に達しています。IEC 60904-9の解説もご覧ください。
SPCとSPD
波長帯ごとの比率は各波長帯の中で平均化されるため、シミュレータは波長帯内の欠落やスパイクを隠したまま合格できてしまいます。そこで第3版では、2つの報告値が追加されました。スペクトルカバレッジ(SPC)は、シミュレータが基準スペクトルに対して意味のある割合の光を実際に発している範囲の割合です。スペクトル偏差(SPD)は、シミュレータのスペクトルがAM1.5Gから全体としてどれだけずれているかを示します。これらはクラスと並んで記載され、同じクラス表示を持つ2台のシミュレータを比較できるようにします。
実務上の意味
- 分類レポートがどの版に従っているかを確認する。
- 1200 nmまで測定する。シリコン分光器だけでは範囲の上端に届かない。
- 波長帯ごとの比率だけでなく、SPCとSPDも確認する。
- 現場で、実際の測定フラッシュを用いてクラスを再確認する。
Spectral Response Kitは、シリコンとInGaAsの2チャンネルを組み合わせて300〜1200 nmをカバーし、実際の測定フラッシュを捕捉して、波長帯ごとの比率、SPC、SPDを報告します。
よくある質問
- IEC 60904-9第3版では何が変わりましたか。
- 2020年版では、スペクトル範囲が400〜1100 nmから300〜1200 nmに拡張され、AM1.5G放射照度を等分する6つの新しい波長帯に分割されました。さらにA+クラスが追加され、スペクトルカバレッジ(SPC)とスペクトル偏差(SPD)が導入されました。
- IEC 60904-9におけるSPCとSPDとは何ですか。
- スペクトルカバレッジ(SPC)は、300〜1200 nmの範囲のうち、シミュレータが基準スペクトルに対して意味のある割合の光を発している部分の割合です。スペクトル偏差(SPD)は、シミュレータのスペクトルのAM1.5Gからの総合的なずれです。どちらもクラスと並んで報告されます。
- 第2版で分類されたシミュレータは、今も有効ですか。
- そのレポートは、引き続き第2版に対する評価結果です。ただし第3版はより広い範囲と異なる波長帯を用いるため、同じシミュレータでも等級が変わる可能性があります。レポートがどの版に従っているかを確認してください。
- シミュレータのスペクトルを1200 nmまで測定するにはどうすればよいですか。
- シリコン検出器の感度は1100 nm付近で低下するため、2つ目の近赤外(InGaAs)チャンネルが必要です。Pasan Spectral Response Kitは両方を組み合わせ、実際の測定フラッシュを捕捉します。





